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NZワインに学ぶ、人類が向かうべき「現実」

朝日新聞|持続可能な未来創造 #09
Words by Daisuke YOSUMI
Reading Time:2m51s
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お酒が「薬品」と感じられ、苦手だったぼくが、初めてアルコールをおいしいと思ったのは、35歳を過ぎてニュージーランドのワインを飲んだ時。ニュージーランド移住のための、確か10回目くらいの渡航の時だったと思う。

フルーティーな白ブドウ種「ソーヴィニョン・ブラン」には〝水〟の味を、ピュアな赤ブドウ種「ピノ・ノワール」には〝太陽〟の味を感じた。
そして両方のワインには、ちゃんと〝ブドウ〟の味がした。

四角大輔|Daisuke YOSUMIさん(@4dsk)が投稿した写真

この国のこれらの品種は、権威のある品評会で最高賞を取るなど、いまや世界トップクラス。
ほかに多種多様なブドウ種があるにもかかわらず、評価が高いのはこの2品種のみという点が、いかにもニュージーランドらしい。

球技ではラグビーのみ、海ではヨットのみ、レースではトライアスロンのみ。
限られたジャンルにおいてのみ、世界一に君臨するこの小国の、得意な分野「一点のみ」にエネルギーを注ぐ姿勢に、ぼくは強い魅力を感じるのだ。

これは「得意なこと一点を伸ばすことだけに集中する」という、音楽アーティストプロデューサー時代の、ぼくの哲学と完全に合致する。

日本の家庭や学校、会社では、「得意なことはいいから、苦手を克服させよう」という根強い風潮がある。
戦後の復興期からバブル崩壊までは、効率最優先の当時の社会構造から、「平均点人間」が大量に必要だったかもしれない。

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〈Photo. Daisuke Yosumi in NZ / ぼくがプロデュースするNZの減農薬ワイン「MANA」。日本限定発売>

だが時代は変わった。
「万能選手」を目指すための努力をするよりは、個々の〝イビツさ〟や違いを受けいれ、独創性や「絶対個性」を磨くことに全精力を注ぐべきなのだ。

現代が抱える解決不可能とも思える、さまざまな超難問題をなんとかするために必要なのは、効率性よりも「創造性」。

ニュージーランドワインのように、人それぞれが得意な分野に集中すべき、というのがぼくの考え。
自分自身に集中すれば、他人の目や他者の評価は気にならなくなる。そして、嫉妬や中傷という人間の醜い側面は消え失せ、不要な奪い合いはなくなる。

その結果、戦争も無くなるのではないだろうか。

これは夢や理想論ではなく、我々人類が向かうべき「現実」なのだとぼくは信じている。

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四角大輔|Daisuke YOSUMI

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