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人類へのヒント

未来の国NZからパラダイムシフトの朝 #01
Words by Daisuke YOSUMI
Reading Time:3m54s
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“未来の国” ニュージーランド

「場所にも時間にも制約されない仕事」しかやらない。あらゆる制約から自身を解放し、「自由でインディペンデントな生き方」を追求したい。

2010年1月、そんな仕事哲学とライフスタイルの目標を胸に刻み込み、ニュージーランドへ移住。そのとき手にした荷物はトランク、バックパック、そして釣り竿が詰まったロッドホルダーのみ。

「人生に荷物はそんなに必要ない」という、我が人生哲学そのままのミニマムライフのスタートであり、学生時代から15年以上抱き続けた夢が叶った瞬間であった。

2010年1月某日。自由への離陸直前。これだけの荷物で移住生活がスタートした。

2010年1月某日。自由への離陸直前。これだけの荷物で移住生活がスタートした。

ニュージーランドは、赤道を挟んでちょうど日本の反対側に位置しながら、日付変更線は越えない。南北に長い形状のこの島国には四季もある。海で釣れる魚も日本とほぼ同じ、と共通点の多い〝姉妹国〟のような存在だ。

しかし、ある部分においては日本とは対極の存在感を放つ。人口はたった430万人、電力の約80%近くが自然エネルギーで、原発はゼロ、そして高い〝原生林率〟を誇るネイチャー大国なのだ。

そして、親日派のこの国は、短期間で資本主義的な奇跡を起こした小さな島国ニッポンを「未来の国」と称し、尊敬してきた。だが時は流れ、劇的なパラダイムシフトが起きた。今や、ニュージーランドこそが日本にとって未来の国である、というのがぼくの持論だ。

湖畔の森の生活で見えてきた、人類へのヒント

「自分を殺して働けば将来が約束される」「サスティナビリティを無視した経済至上主義」が幻想だったことは、今や誰もが知っている。

大量消費生活ではなく、自然と調和しながらオーガニックに生きることこそ、これからの人類が選ぶべき道だと多くの人が気づいている。

ニュージーランド永住権の取得が確定し、移住を決意した2009年、プロデュースしていた絢香とSuperflyが女性アーティスト部門アルバム年間ランキングで1位と2位を独占。

「なぜこんな絶頂期に辞めるのか」と多くの詰問を受けた。「移住には裏がある」と陰口を叩かれ、週刊誌ネタにもされた。

MacBookとネット環境があれば、僕の仕事は成立する。キャンプ場ではWiFiが飛んでいて、移住後に半年間続けたキャンピングトレーラー生活でも、まったく仕事に支障なし

MacBookとネット環境があれば、僕の仕事は成立する。キャンプ場ではWiFiが飛んでいて、移住後に半年間続けたキャンピングトレーラー生活でも、まったく仕事に支障なし

半年間のキャンプ場生活を経て、今ぼくが暮らすのは原生林に囲まれた湖畔に建つ一軒家。携帯圏外で、水道もなし。そして、湖水を飲料水として使い、野菜と果物は自身で育て、魚を釣って自らさばくという半自給自足の暮らし。

そんな資本主義から距離を置くちょっとワイルドな〝自然世界〟と、世界最先端年のひとつ〝東京都心部〟という、両極端な2拠点を往来するノマドライフも6年目に突入(2015年現在)。当初は地図なき道で何度も遭難しかけたが、仕事も軌道に乗り、生活ペースは完全につかむことができた。

この国の〝あり方〟と、湖畔の森で生きる毎日は、「人間にとって、本来なにが大切か?」と、あらゆる角度から問い直してくれる。

当連載では、ぼくが試行錯誤しながらデザインしてきたこのノマドスタイル、未来の国ニュージーランドが与えてくれる人類へのヒント、そして、こちらでのライフスタイルがもたらしてくれる高次のクリエイティビティについて語ってゆきたい。

ソトコト紙面

本記事は、エコ&ソーシャル誌「ソトコト」2013年5月号掲載、四角大輔の連載記事Vol.01に加筆修正を加えた完全版です。
(当サイト掲載|2015年5月25日)

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