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#05 未来の国で実現した、太陽とシンクロする暮らし。

未来の国NZからパラダイムシフトの朝
Words by Daisuke YOSUMI
Reading Time:5m12s
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夜明けとともに目覚め、日没とともに休む。

ニュージーランド移住と湖畔生活の〝理由〟に関しては、この連載でも触れてきたが、実はもうひとつ、あるライフスタイルを実現したいという想いがあった。

それは、太陽のリズムで生きることだ。

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〈Photo. Daisuke Yosumi / in NZ〉

会社員時代、「◯◯会社の社員である前に、社会人たれ」、「日本人である前に、国際人たれ」という言葉をよく耳にした。もちろん納得だ。
でも、ぼくはいつも、それ以前に「地球人であるべきだ」と思っていた。
人類のスタートに関しては、諸説あるが、石器時代から数えると、われら人類の歴史は約200万年もある。そして当然、その大半どころか、人類史の99.99%以上は電気がない暮らしだった。

現代は、夜になっても街中が煌々と照らされ、家の中は昼間のような明るさの中で生活ができる。
そんな、ぼくらが〝あたりまえ〟と思い込んでいる「夜も生活を続ける生活」は、ごく最近のことなのだ。つまりたった100年ほどのこと。

だが、3・11で、その「あたりまえ」には、多くの犠牲が伴っていることが誰の目にも明らかになった。
大量の電力を生み出すために長年にわたって、環境が破壊され人間の命が粗末に扱われてきたという事実だ。

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〈Photo. Daisuke Yosumi / in Tokyo〉

〝地球人〟であり続けたい。

さらに、最近の研究で、日没後に人間が活動し続けることは、「よくない」ということが生理学など、あらゆる分野で証明されてきている。
夜10時以降も活動をつづける生活を365日続けると、体と心の両方に深刻なダメージを与える、ということに科学的根拠が示されたのだ。

この話をすると、多くの人が「生活を改めるのは難しい」と言う。
本当にそうだろうか。

米国が牽引してきた、大量消費ありきの〝非人間的〟な、「経済至上主義」、「マネー至上主義」には、ほとんどの人が違和感を感じているはずだ。
それは〝地球人〟として自然な反応だし、〝地球人〟として生きることが大切だと心のどこかで多くの人が気づき始めている証拠だ。

この〝気づき〟は、新しいソーシャルムーブメントや、破綻的な経済指標など、いい面にも悪い面にも表れている。

ここ、小さな島国ニュージーランドでは、この〝新しいムーブメント〟は起きていない。
そもそもこの国は、そういった古い「20世紀的なカルチャー」とは無縁で、これまでの経済システムにもマッチしなかったため、「拡大成長」ではなく「なるべく消費しない」という形で国を運営し、ミニマムに暮らすしかなかったからだ。
ロハス大国、スローライフ天国と世界から称されても、そういった言葉はここでは使われない。

なぜなら、ここではそれはずっと「あたりまえ」の日常だったから。

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〈Photo. Daisuke Yosumi / in NZ〉

経済指標で見るとOECD加盟国では最下位。英語圏最小の経済規模。
この「落ちこぼれ」をぼくは〝未来の国〟と呼んでいる。

一番近い大陸のオーストラリアからも2,000kmも離れていて、どこからも遠い〝ちぎれ雲〟のようなニュージーランド。
グローバリゼーションという「流行」に乗れず、独自の道を歩まざるを得なかった結果、「オリジナル・ワン」の存在になり、いつの間にか世界で注目の的となったのだ。

これは、最近のマーケットや人間社会でも見受けられる現象だ。「自分にはコレしかできない。そうせざるを得なかった」と愚直に目の前のことをやり続けた結果、プロダクトやその人自身が「独創的だ。クリエイティブだ」と呼ばれるようになるように。

前号で紹介したように、電力の8割近くを自然エネルギーに頼るこの国はとにかく無駄な電気を使わない。
夜の街は基本暗いし、冷暖房の効いたお店はレアだし、店じまいも早い。日が昇ると活動を始め、沈むと休息する。

森の中で、そんな太陽のリズムで暮らしていると、電力消費が減るだけでなく、物欲や我欲も消滅し、思考もライフスタイルもどんどんシンプルになってゆく。
あれもこれもと求めるのではなく、自分たちにとって本質的に大切な物を見極められるようになってるのだ。

日本に伝わる美しい言葉、「足るを知る」ようになれるのだ。
これこそ〝地球人〟として生きることの原点ではないだろうか。

ソトコト

本記事は、エコ&ソーシャル誌「ソトコト」2013年9月号掲載、四角大輔の連載記事Vol.05に加筆修正を加えた完全版です。
(当サイト掲載|2016年2月20日)

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