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もっとも原始的な裸足こそ、一番のぜいたく。

朝日新聞|持続可能な未来創造#07
Words by Daisuke YOSUMI
Reading Time:3m37s
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心地よさそうに素足で街を歩くニュージーランド人を見て「裸足こそ一番のぜいたく」と思ったのがきっかけだった。それ以来、ぼくが暮らすニュージーランドでは、できる限り裸足で外を歩き回るようになった。

「ベアフットラン」という言葉を耳にされたことはあるだろうか。
ぼく自身も行っている、素足に近い平らな極薄ソールの靴で走る独特の走法で、日本でもやっと、普及してきた感がある。

「かかとから」ではなく、「前足底寄りの足の裏全体」から着地することで〝脚すべて〟を使うことになる。つまり走行時の体への衝撃を、土踏まず、足首、ふくらはぎ、ひざ、太もも、足の付け根など、脚全体に分散させることができるのだ。そして下半身だけでなく、体全体のバランスを意識しながら走れるようになるのだ。ちなみに、人類は本来そういう走り方と歩き方をしていた。

結果、ひざや足首などの、一つの部位を極度に痛めるケガが減り、多くの現代のランナーが抱える、持病のような関節痛を避けられるようになるのだ。ぼくも、若いころの激しい登山で激しく痛めてしまい、どんな治療もリハビリも効かず、10年以上も悩み続けていたひざ痛が、この走法を始めて以来、明らかに軽減してきた。

ただ、通常のランや日常生活で活用しない土踏まずやふくらはぎに負荷がかかるため、急に長距離を走ると、これらの部位を故障しかねないので注意が必要だ。

だが、時間をかけて慣らしながら続けることで、退化していた足裏や太ももの裏、ふくらはぎの腱(けん)や筋肉、上半身の体幹が鍛えられ、骨格も矯正される。体のバネと〝正しい姿勢〟が復活するのだ。

これら人間の根源的な機能を取り戻し、健康になれる。
ぼくもそれを心底、体感した一人。何年も続けているうちに、大げさでなく、体のバランスが格段と良くなり、肉体の機能がすべて向上してきたのである。

〈Photo by Daisuke YOSUMI in NZ〉

〈Photo by Daisuke YOSUMI in NZ|愛用のベアフットランニング・シューズ「Vibram Five Fingers」〉

ベアフットランを世に知らしめたベストセラー『Born to Run』に詳述されているが、100キロを走破するウルトラマラソンの上位記録者全員が「ベアフットランナー」で、しかも故障者ゼロ。この事実は世界に衝撃を与えた。

人類の歴史の大半は裸足だ。
人間の体は裸足で走るように、歩くように出来ている。
靴の過剰なサポート機能は、ぼくらの足だけでなく、肉体すべてを弱体化させ〝不自然な状態〟にしてしまったのだ。

これは、自然から切り離され、生きる上でとても大切な〝太古の感覚〟を失っている現代人の病理にも似ているように思う。

体の慢性的な不調は「しょうがない」ものでは決してなく、なにかを改めるべきだという体のサインだ。
西洋医学によって病気やケガが発覚する前に、体が先に本当のことを教えてくれる。

ベアフットランのムーブメントも、足と体が本来のあり方を欲している証しなのではないだろうか。

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▽「ベアフットランニング」もっともわかりやすいオススメ動画
ベアフットランニング|基本の走り方|吉野剛×exfitTV

本記事は、朝日新聞2013.09.07号掲載の連載「持続可能な未来創造」07に加筆修正を加えた完全版です。 (当サイト掲載|2016年3月12日)

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