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/ ARTICLE / メディア対談 2 Jan 2018

「もし何でも出来るなら、あなたは何をしたい?」高橋歩×四角大輔

Words by Ayumu TAKAHASHI & Daisuke YOSUMI
Reading Time:35m17s
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高橋歩と四角大輔。
手つかずの大自然と、世界最先端の都市空間。

ニュージーランドの湖畔の森と東京という、2つの相反する場所を行き交い、世界中で旅をしながら多面的に活躍する執筆家の四角大輔。

ハワイ島の海辺近くと東京を往来し、世界中で旅をしながら多面的に活躍する作家の高橋歩。

タイプは全く違うはずの2人だが、なぜかライフスタイルは酷似し、それぞれが放つ言葉の深度と角度は常にシンクロする。お互いの思考と活動に、共感と共鳴が響き合い、コトバと魂が交差し弾け合う。

「地球で遊ぶ」ボヘミアン同士のシナジー・ダイアローグ。

〈Ayumu Takahashi & Daisuke Yosumi @旅祭〉

地球で遊ぶ!
Play The Earth!

Daisuke
「地球で遊ぶ」って言葉、人間であれば誰もがゾクってすると思う。

Ayumu
本当に世界が変わったなあと思うのは、ゲームが地球で遊ぶという規模になっていること。

例えば、『クラッシュ・オブ・クラン』……自分で国を創っていくゲームなんだけど、世界中のやつと戦うようになっているの。

参加の国々の数がすごいんだよ。アラブ人とか中国人とか。勝ったり負けたり、みんな同じ素材で、どう組み合わせて戦うかだけだから、妙に平等感がある。

〈Photo. Shotaro Kato / Model. Daisuke Yosumi in NZ〉

子どもの頃から、いつも、地球で遊んでいた。
Ever since I was a child, I was playing on Earth.

Daisuke
今思えば、子どもの頃に外でドロッドロッになって、真っ暗になるまで遊んでいたときから、地球で遊んでいるという感覚はあった。

その時の自分にとって、地球というのは、まだ想像がつかなかったから、近所が世界で、家族が国みたいな感覚があるじゃない。
その周辺コミュニティが、自分にとっての〝地球全人類〟みたいな感じで。

東京に1ヵ月くらいいると、ニュージーランドで暮らす湖に、「ああ、帰りたいな」と思うんだけど、それって、中学生の時にチャリで1時間以上かけて通っていた森の中の、ある小さい山上湖に、「あそこに、次いつ行けるかな」と思っていたのと、感覚は変わらないんだ。

〈Photo. Shotaro Kato / Model. Daisuke Yosumi in NZ〉

目的も何もない旅。
A Journey without a Purpose, or Anything.

Ayumu
俺は、旅に出るとき、本当に、特に目的が何もないわけよ。
何をしようというのが、いつも、あんまりないんだよね。

「行く?」って感じで決めて、着いてから、「さあ、何をしようかな」って、考えている。
それが、俺にとっての、旅。

旅は、いつもそんな感じ。

〈Model. Daisuke Yosumi in Cuba〉

人生をデザインする。
Designing Lifestyle.

Daisuke
フライフィッシング、その対象の鱒(マス)、大きな鱒が生息する湖。
常に、この3つを中心に中心にあって、自分の人生をデザインしてきた。


《INSPIRTAIONAL TIPS 01》
釣りを中心にしたライフスタイルデザイン

四角大輔:「15 年間のレコード会社時代、3回引っ越しているんだけど、1回目は札幌で、支笏湖に通いやすい場所に部屋を借りた。東京・市ヶ谷の本社のときは、本栖湖に通いたくて、本栖湖と市ヶ谷の間にある調布に。会社が青山のときは、芦ノ湖に通いたくて、用賀インター近くに。重要なのは、湖まで1時間以内ということ。この頃から、どうやったら釣り場に住みながら仕事ができるんだろうということを、ずっと考えていた」


〈Photo. Shotaro Kato / Model. Daisuke Yosumi in NZ〉

フライフィッシング、虹鱒、湖
Fly Fishing, Rainbow Trout, and Lakes

Daisuke
釣りの中でも、ダントツで深くハマり、長くやってのがフライフィッシング。もう25年は続けてる。

いろいろな魚を釣るけど、特に鱒族の神、虹鱒(ニジマス)が大好き。
今住んでいる湖は、ニュージーランドでも、トップクラスの虹鱒が釣れることで有名な湖。

虹鱒は川にもいるし、フライフィッシングは海でも川でも出来る。
だけど、「湖で、虹鱒をフライフィッシングで釣る」というのが、ほかの何よりも、圧倒的に気持ちよかった。

この3要素すべて大好きだけど、どれかひとつを残せと言われたら、迷わず、湖を選ぶ。

今、湖のほとりで暮らすだけで満足になってきた。
湖という〝地球が創りだしたひとつの舞台〟で遊ぶためのツールのひとつとして、フライフィッシングをやってきたのかもしれない。

〈Photo. Shotaro Kato / Model. Daisuke Yosumi holding “Rainbow Trout” in NZ〉


《INSPIRTAIONAL TIPS 02》
フライフィッシング天国

長い海外線に囲まれ、何百もの川や湖に恵まれているニュージーランドは釣り天国だ。北島の中央部に集中する火口湖群、南島の全域に点在する氷河湖など、ニュージーランドには世界最高の鱒釣りのスポットがある上に、淡水域の大半が「フライフィッシングのみ」というルールが徹底されており、国をあげてフライフィッシングを推奨している。

《INSPIRTAIONAL TIPS 03》
世界の湖

全世界の小さい湖まで入れた総数はおよそ300万。世界一透明度の高い湖があるのがニュージーランド。ちなみに世界一湖の数が多い国はカナダ。全世界の湖の約60%がカナダにあると言われている。

《INSPIRTAIONAL TIPS 04》
「airista(エアリスタ)」

四角大輔氏プロデュースによる最先端のフィッシング&アウトドアブランド。釣りや登山に限らず、様々なアクティビティ、旅などのシーンにおいて躍動するシンプル&ミニマムなアイテム。空気のような軽さが大自然への冒険に革命を起こしてくれる。
airista.jp


母なる湖
MOTHER LAKE

Daisuke
今住んでいる湖を、ぼくは、マザーレイクと呼んでいる。
今のところ、マザーレイク以外に住むイメージはない。
どこよりもここが一番落ち着く。

〈Photo. Daisuke Yosumi in NZ〉

湖と共に生きる
LIVING WITH LAKE

Daisuke
このマザーレイクに出逢うために、ぼくは日本でフライフィッシングに熱狂し、日本中の湖を訪れるほどの「湖マニア」になり、大きくて美しい虹鱒を追い求めてきたのかなという気がする。

毎日、マザーレイクの畔で呼吸をし、湖面を眺め、周りの森の土で野菜を作り、そこで釣った野性の虹鱒を食べている。

飲料水と生活用水は、湖底の湧き水をポンプで汲み上げて使っている。
湖上でカヤックもやるし、周りの森の中でマウンテンバイクもする。湖畔沿いに5キロくらいのトレイルがあるから、歩いたり走ったり。
まさに湖と共に生きている。

今一番はまっているのが、そのマザーレイクで泳ぐこと。

1日1回は水につからないと落ち着かない。
夏は毎日、泳いでいる。

外気温10℃以下の真冬でも、週に一度は泳ぐ。
水は刺すように冷たいんだけど、トレーニングというよりは、野生を取り戻すための神聖な儀式となっている。

〈Model. Daisuke Yosumi in NZ〉


《INSPIRTAIONAL TIPS 05》
星野道夫|MICHIO HOSHINO

2人が共通して大好きな尊敬する存在、写真家・星野道夫。アラスカに暮らし、自然と人間の関わりをテーマにして、多くの印象的な文章と写真を残した。代表作に「イニュニック 生命-アラスカの原野を旅する」な魔法のことば」「星野道夫の仕事」など。高橋歩:「彼の作品に触れると、大好きな場所に暮らすことの喜びが強烈に伝わってくる」。四角大輔氏:「星野道夫さんにとってのアラスカが、ぼくにとってのマザーレイクとその周りの原生林」。


先住民マオリの聖地--住む人を選ぶ湖
The Sacred Place of Maori…The Lake that Chooses its People to Live With.

Daisuke
我がマザーレイクは、メインの国際空港から車で4時間と遠く、一番近い街までも20kmある。

水道は来ていないし、携帯は圏外。

細い電話線と電線だけは来ているから、電気と、ADSLでネットはつながる。
回線が弱いから、よく停電するし、ネットが不調なんてしょっちゅう。

そういう辺境だからこそ、湖畔にある小さな集落に暮らすのはおもろい人ばかり。
ここでは人と人のつながりはとても人間的で深く、みんな家族みたいになっている。

このマザーレイクは、先住民マオリの聖地とされていて、「人を選ぶ」とよく言われていて。
合わない人はすぐいなくなるし、合う人はずっと居続けているんだ。

近所のマオリ族のおばさんが素晴らしくて、その方を筆頭に、近隣の仲間や先輩たちを、ぼくは、心底から敬愛している。
愛おしくて、帰ると全員とハグを交わす。
自分が愛されているのもわかる。

とにかく今、彼らのことが一番好きなの。


INSPIRTAIONAL TIPS
「マオリ族」

イギリス人が入植する前から、ニュージーランドに先住していた森の民。自然と共存しようとするその思想は、ニュージーランドの中に深く溶け込んでいる。「石ひとつ、魚一匹、一輪の花それぞれに神様が宿る」というマオリ族独特の生命観は、「道ばたの石ひとつにまで、ヤオイヨロズの神が宿っている」ととらえる日本的な自然観と共通している。


〈Photo. Shotaro Kato / Model. Daisuke Yosumi in NZ〉

衝動
An Urge

Daisuke
衝動。
スコーンという感覚。

学生時代、釣り仲間で一番の親友が、ニュージーランドに留学して、ありえないくらいきれいな湖の写真と、巨大な虹鱒の写真と手紙を何通も送ってきた。

言葉にできないものスゴい衝動で。

「おし!ここに住むぞ!」って。
その写真だけでニュージーランドに移住するって決めた。
まだ行ってもいないのに。

「絶対、この国の湖で暮らす!」……って衝動だけで決めた。

その衝動を理論的に説明なんてできなかったし、なぜこんなにこの地に引っ張られるのか、よくわからなかった。

だけど、後づけで、ぼくが目指す理想のライフスタイル、自由を求める人生哲学、自然観とか、自分の本質的なところに合致するような事実や事例が、この国でどんどん見つかってきた。
「あ、だからだったんだ!」と、一つ一つ答え合わせがされるごとに、より深く深く好きになっていった。

Daisuke
衝動が猛烈にデカいと、間違いはない。

体の中心に宿る心から発せられる「本物の衝動」か、体の末端にあり外部情報に侵されやすい頭がねつ造する「偽物の衝動」か、これを見切れる人間こそが、人生を楽しめる奴だと思う。

Daisuke
「こういうのが流行っているからやる」とか、逆に「こういうのはみんなカッコ悪いって言うからやらない」とか。
そういう中途半端な「偽物の衝動」に振り回され続けている人は、本気で人生を楽しめないと思う。

そうやって人生を終えて欲しくないと、心から願う。

〈Model. Daisuke Yosumi〉

脳みそスパーク
Sparks that Shake Your Brain

Ayumu
俺で言うと、「脳みそスパーク」。
今住んでいるハワイ島も「ビッグアイランド!イェーイ!」って入った。

後々、ハワイ島には世界の13の気候のうちの11があるとか、世界でほとんど無い、イルカとビーチエントリーで泳げる場所が複数あるとか、いっぱい理由がついてくるんだけど、ぶっちゃけ、最初は何も関係なく選んでいる。

ただ「世界中どこでも住めたんだよね」という上で、ハワイ島が「キタ!」から住んだ。

「どこ住もうかな?吉祥寺にしようか、阿佐ヶ谷しようか?」くらいのノリで、ハワイ島なのか?モスクワ、メキシコなのか?みたいに考えていただけ。

Daisuke
ぼくが言う「衝動」も、歩が言う「脳みそスパーク」も、圧倒的に自分の深いところから出てきているものだけど、頭で計算したり思考して生みだしたものじゃない。

頭の良すぎる人が可哀想だなと思うのは、先に答え合わせから入ってしまうから。
最初からエクセルで、チェックシート作るから(笑)。

ぼくらは頭悪いから、衝動と脳みそスパークだけで動けるんだよ。

〈Photo. Shotaro Kato / Model. Daisuke Yosumi in NZ〉

「もし、何でも出来るとしたら」
“If We Could Do Anything…..?”

Ayumu
「何もやりたいことがないんです……」って大学生が言ってきたりするけど、多分、あったはずなんだ。
それに気づけてなかっただけ。

さやか(髙橋歩の妻)が、そういう人だったのね。
秘書課の専門学校を普通に出て会社に入って、「あゆむが好き」(笑)ということ以外に、本当にやりたいことあんまりなくて。
「もし、何でも出来るとしたら、何をしたい?」という質問を俺はずっとし続けていたんだよね。

本当はみんなあるはずなのに、自分が出来ることの中で、「何をやりたいか」と思っているからダメなんだ。

でも、いきなり「もし、何でも出来るとしたら……何をしたい?」と聞いても、みんな、全然何にも答えられない。
だって、そういう問いを持って、生きていないから。

「もし、何でも出来るとしたら…何をしたいか?」

その問いを持って、1ヵ月くらい暮らしていると、だんだん、「これ出来るかも?」という話になってくる。

〈Photo. Shotaro Kato / Model. Daisuke Yosumi in NZ〉

「もし、全くこの世に制約がないとしたら」
“If We Did Not Have Any Restrictions In This World?”

Daisuke
ぼくは、「やりたいことがないんですよ…」という人には、「もし、全くこの世に制約がないとしたら……例えば、お金の縛りも、重力さえもないとしたら、何をしたい?」って聞く。

ほとんどのリアクションは、「えっ、考えたこともないです」となるんだけど、その質問を繰り返していると、段々と面白い答えが出始めてくる。
「ありえないことなんですけど……」という答えでも、それがまず第一歩。

それまでは、常識だからこれはダメとか、親からもこうすべきと言われているとか、世間一般的にこういう人がイケテルとか、というように、外部情報に洗脳された「頭」がつくりだした思い込みが邪魔して、人生を決める大切な大切な「衝動」に気づかずに来てしまっただけなんだ。

Daisuke
ぼく、ニュージーランドで暮らすようになってから、よりガキの頃の自分に戻っている感じがする。
毎日暗くなるまで外で遊んで。でも、昔と違うのは誰にも怒られないという。

より「楽しい!気持ちいい!」を一番大切に生きて、どんどん自分のルーツに戻っている感じがある。

結局、自分自身は昔からあまり変わっていないんだよね。
遊びの規模とかエリアとか、生きる場所とかは変わったとしても。

Ayumu
「これ、オモシロクない?」……俺は、それでメシが喰えている。
「メシを喰うために何かしなきゃ」がないから、スパークしてればいい!

自分としては、強烈なスパークがあれば、必ず儲かるし、人の役にも立つし、充実感もあるし。
注目しているのは、そこだけ。

自分が面白いと思えていれば、もうOK。
俺、脳みそスパーク担当だから。

〈Photo. Shotaro Kato / Model. Daisuke Yosumi in NZ〉


人は誰もがアーティスト。

Every single human being is an artist.
生まれた瞬間は、全員、アーティスト。
The Moment that We were Born, We ALL Artists.


遊びが勝手に仕事になっている。
Playing Becomes A Work By Itself.

Daisuke
レコード会社にいた時も、ぼくは全然仕事をしているつもりがなかった。
仕事を頑張れた理由はシンプル。

お金や評価なんてどうでもよくて、「ヤバい!このアーティストが震えるほど好きだ。どうすればこの衝動を世界に伝えられるんだろう」ということしか考えていなかった。

まさに〝究極の遊び〟をしている感覚。

でも、自分だけが「スゴい!」と鳥肌立っても、デビュー前の社内プレゼンでは毎回、反対される。
例えば、絢香もSuperflyも社内の宣伝チーム30人中で「イイ」と言ってくれた人はほぼいなかった。

でも本当の遊びはここから。

「感動や震えや鳥肌」といった、心で感じた〝強烈な衝動〟を、「どうやったら他人に伝えられるか」と、次は脳ミソをフル稼働させながら言語化していく。

ちなみに、若い時は「とにかく聴いてください。イイんです!お願いします」くらいしか言えなかった(笑)。
「これじゃ全然ダメ。ちゃんと頭を使おう」って、何年も研究し、練習した。

衝動を言語化し、プレゼンやプランニングに落とし込む過程はゲームより何倍も楽しいし、その成果が、リアルワールドで「ヒット!」という形で現れた瞬間が、全身がしびれるほどの最高の感動なんだ。

〈Photo. Shotaro Kato / Model. Daisuke Yosumi in NZ〉

純度
Purity

Ayumu
俺、「純度」みたいな言葉が好き。

よりスッキリしている状態に頭を置いて、「楽しくねえ?」というところだけにぶつかっていれば大丈夫。
なるべく、わけのわからないゾーン、ありえないようなところに、自分を開いていきたい。
「何、これ?意味わかんない?」くらいのさ。

例えば、いきなりアフリカの部族の所にボフッと置かれて、「お前、1ヵ月以内に、酋長とマブダチになれ!」「マジで!」「そうしないと、おふくろが死ぬ!」(笑)みたいな。
そういうところに、自分を置いておきたい。

どこかに、自分の中の使っていない脳みその部分とか、そういうものを使い切らないともったいない的な欲求があるんだよ。

地球より子宮
The Womb rather than Earth

Ayumu
地球より子宮。

最近よく言っているんだけど、子宮にいたときの物体に届くメッセージだったら、全世界的に響くかなって。
なんかあるはず。

だって、全員、子宮にいたんだから。

〈Photo. Daisuke Yosumi in NZ〉

なるべく予定は立てない
Not to Schedule Things as Much as Possible.

Daisuke
今、時代変動がものすごい。

テクノロジーの進化スピードも社会変化も爆速。
もはや、半年後さえも予測できない。

ちなみにぼくは、今年の予定を敢えてほとんど立てていない。
なるべく予定に縛られないようにして、超フリーハンド状態でいたいんだ。

今年は、マザーレイクに住む期間を少し減らして、もっといろんな国に行こうと思ってる(2014年当時)。

プランは特に立てない
No Planning

Ayumu
1周目の世界一周の時まで、旅したいとか、あんまりなかった。
世の中的には、なにげに「旅キャラ」と思われているけど、さやかの夢を叶えることの方が、俺にとっては大事なことだった。

世界一周のプランは特に立てなかった。
行きの航空券だけ買って、まずオーストラリアに入った。
現地で「どうしようかな?」って動きながら、適当に回って行った。

夫婦だって、個性があって行きたい方向が違うじゃん。

人生と同じで、行きたいところも変わってくるし。
ただ、お互いが好きな方に行けばいいんだったら、2人で旅する、意味がない。

一緒に旅することだけは決めようという話をして、さやかもそっちに乗ってくれた。

実際、旅しているという感じでは、正直あんまりなくて、さやかと過ごしているという感覚。
2年弱くらいの移動生活(笑)。

〈Model. Daisuke Yosumi in Spain〉


〜今後の自分にプラスにならないと思ったものは、潔く捨てればいい。

捨てれば捨てるほど、視界と思考からノイズが取り除かれ、本当にやりたいことが明らかになるからだ。人生は余計なものを削ることで、自分らしさを取り戻していく。捨てれば捨てるほど、集中力が高まり、本当の能力が引き出される。〜
自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと
(四角大輔)サンクチュアリ出版より


《INSPIRTAIONAL TIPS 06》
●「自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと」(四角大輔)サンクチュアリ出版

自由でインディペンデントな人生を創るための珠玉の50のメッセージ。今の時代をクリエイティブにサバイブするための方法を説いた”20代のバイブル”。


旅をすればするほど、行きたいところが増えていく
The More I Travel, The More Places I Find That I Desire To Visit.

Ayumu
「世界を何周もしたから、もう行くところは無いんじゃないですか?」と聞かれたりするけど、全く逆で、旅をすればするほど、行きたいところが増えていく。

旅をすればするほど、わからないことが増えてくる。

世界一周をしたことで、この先の人生が、ますます楽しみだなと思うようになったよね。
より楽しそうなところ、超あるなって。

〈Model. Daisuke Yosumi in France〉

ニュージーランドは目的地じゃなくて、乗り物
New Zealand Is Not A Destination But A Vehicle

Daisuke
ニュージーランド=学生時代からの夢だったから、「ついに夢を叶えましたね。おめでとう」ってよく言われるけど、違う。

ニュージーランド移住のために頑張ってきて、やっと住めた。
だけど、ここからが本当の始まり。

「完了」じゃない、スタートなんだ。

住めば住むほどハマっていくし、好きになっていく。
フライフィッシング・ニジマス・美しい湖、この3つが揃っている国だったからニュージーランドを選んだというのは言ったよね。

要は、自分にとって、この「人生3大テーマ」がある意味ゴールで、それを叶えてくれる場所がニュージーランドだと思っていた。

でも実際に、この3つが揃った場所で暮らしはじめると、ここでやりたいことが他にどんどん増えてきた。
つまり、ニュージーランドは「目的地」じゃなくて、「乗り物」だったということ。

〈Model. Daisuke Yosumi at his house in NZ〉

ノイズジャングルとノイズレスの両極
Noise Jangle and Noiseless World, The Two Opposites

Daisuke
子どもの頃の、あの最もクリエイティブな感覚のままでいたい。
今もこの瞬間も、この先も。おじいさんになろうが、死ぬ間際までそうあり続けたい。

自分が一番クリエイティブになれるときは、二種類ある。

ひとつは、東京の真ん中。

最先端カルチャーの中心、猛烈な刺激を与えてくれる場所。

東京に来たら、あゆむを始め、おもしろい仲間がいっぱいいる。
会って語ってインスピレーションもらって、すごいクリエイティブになれる。

例えばレコード会社の頃は、青山にオフィスがあって、クリエイターやアーティストと毎日やりとりをしていたから、毎日、高次の刺激を受ける。

でも、休みには森や湖に行って、ひとりで自然の中を歩いて、誰もいないところにテントを張って、完全オフラインの世界にいた。大自然の中には全くノイズがない、ノイズレスワールドだからね。
実はその状態こそ、クリエイティビィティはメチャクチャ上がる。

そして今。

ニュージーランドの湖のほとりの原生林の中でこそ高まるクリエイティビィティ。
東京都心という都市空間だからこそ上昇するクリエイティビィティ。

この「両極端な2居点生活」は自分の中では、人生を賭けた実験でもあった。

まだニュージーランドに住んで5年目(2014年当時)で、整理できていないところもあるけど、ぼくほど極端じゃなくても、誰にとっても両方あった方がいいというのが、今のところの結論。

大都会にずっといる人は、そのノイズジャングルの中で得られるクリエイティビィティだけじゃなく、オフラインでノイズレス状態になれる自然の中で得られるクリエイティビィティにも気づいてほしいんだ。

〈Model. Daisuke Yosumi in NZ〉


《INSPIRTAIONAL TIPS 07》
両軸で仕事をする

四角大輔:「クリエイティブの最前線で仕事をしながら、大自然の最前線でも活動するという2軸を持つ人は、ほとんどいない。でも実は見本というか、背中を追い続けてきた尊敬する大先輩がいる。それが浜野安宏さん。東急ハンズやQFRONTなどを総合プロデュースしたクリエイティブのトップランナー。彼は一方でフライフィッシングのプロで、世界中で釣りをしまくって、釣り雑誌などで大活躍されてきた」
【浜野総合研究所】teamhamano.com/index.php


咀嚼タイム
Time To Chew

Ayumu
1人で過ごすことを、俺はかなり意識している。

今だって、家族の家と自分の仕事部屋の家を分けている。
家族と一緒に暮らす時も、「俺のエリア」と言って、聖地みたいに、父ちゃんワールドにしている。

その感じを創らないとダメ。
旅でもそうだし、日常生活ですら、すごくブロックしている。

つまり、咀嚼タイム。

1人で過ごして、いろいろなことを血肉化する時間が必要。

〈Photo. Daisuke Yosumi in NZ〉

心の故郷
Home Place

Daisuke
日本のヘミングウェイと言われている作家、開高健さん。
戦場に同行して超リアルなノンフィクションも、小説も書くし、世界中で釣りもするし、フィッシングトリップの紀行文も書いていて、ベストセラーにもなっている。

ぼく、あの人が大好きで。

「自分の本当の〝心の故郷〟に出会えた者は幸せである」
昔、開高さんが言っていたそのフレーズに触れて、しっくり来た。

開高さん曰く、誰もが、心の故郷を持っているという。
故郷というのは、自分の生まれ育った場所が、決してその人の心の故郷だとは限らない。

もちろん、そこがそのまま心の故郷になる人もいる。
そして、ぼくみたいに、自分の出身地をそう思えなかったような人間は、心の故郷を探す旅に出る。

それが人生だと。

ぼくは、心の故郷を「ホームプレイス」と呼んでいるんだ。

開高さんは「30代で、その場所を見つけられた人はラッキーだ」とおっしゃっていた。
ぼくは、39歳で我がホームプレイスである、ここ「マザーレイク」に出逢い、暮らしはじめた。

自分の生まれ育った場所に心からしっくりきて、そこが心の故郷だと呼べる人はとても幸運だけど、そうじゃなくて、何の縁もゆかりもなかったけど、この場所が好きだと思えるところに出逢える人もラッキーだと思う。

Ayumu
俺は、逆かも。

あえて、心の故郷を持たないようにしているかもね。
そういうものに出逢ってしまったら、きっと、そこに縛られるから。

俺はハワイ島大好きだけど、どんなに好きになっても、ホームという言葉を使うような感覚はないだろうと思っているし、家も買うけど、いつでも売れるよというのが前提。

多分、一生そうだろうなって気がしているね。
パチッと決めてしまったら、それをちゃんとカタチにしていこうというタイプなのはわかっているからこそ、創ったら、すぐに壊そうとしていくし、移動出来る状況にしておきたい。

いわゆる無責任な感じという意味とは、自分の中ではちょっと違っていて、小さくまとまるという言葉にどこか抵抗があるんだよ。


《INSPIRTAIONAL TIPS 08》
開高健|TAKESHI KAIKO

アメリカの釣り文学の大将がヘミングウェイだとすれば、日本の大将が開高健。日本を代表する小説家。釣り人としても知られ、世界中を釣行し、様々な魚を釣り上げた。ブラジル・アマゾン川での釣りを紀行した「オーパ!」など傑作多数。「オーパ!」とは、驚いたり感嘆したりしたときに発するブラジルの言葉。


本記事は、2014年12月に発売された、地球を遊び尽くす為の雑誌『PLAY EARTH CATALOG』 での対談記事に、加筆修正と写真追加がされた〝最新&完全版〟です。(当HP掲載|2018.1)

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