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「旅も登山も人生も、ミニマムに、創造的に」四角が実践する21世紀的生き方とは?【後編】

Interviewed and words by Movilist
Reading Time:10m17s
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Movilist 四角大輔インタビュー|前編中編、後編

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南半球から感じる、日本の気持ち悪さ

山崎 移住されて5年、日本を客観的に見た時に、「何かこの変化、気持ち悪いな」って思うことありますか?

四角 3・11で完全に露呈しましたが。前時代的な「社会システムの崩壊」と「政治と経済界の腐敗」、そして「既得権者達のマフィア化」が、想像以上に進んでいたことですね。

さらに、安倍政権が目指す方向性には恐怖を感じます。特に、秘密保護法や集団的自衛権、戦争法案と憲法9条の拡大解釈などに。

あと、マスメディアから出る情報と、ネットの独立系ニュースサイトで流れる情報の違い。大企業、政治、マスメディアが裏で手を握り、「カネ儲け」のために、市民を欺こうとしているやり方には、吐き気を感じます。

山崎 1つの場所に留まっていると、麻痺してしまって、もはや受け入れなければならないと思ってしまいがちですけど。それって、外から見るとそのストレンジに感じると思うんです。

四角 ニュージーランドから今の日本を眺めると、「カネとプライドのために戦争に参加しようとしている」という風に見えるんです。急に武器の輸出を認めたりとか。

これまで、戦争に関与しないスタンスが世界中からリスペクトされていたのに。暴走の理由が意味不明なところに、気持ち悪さを感じるんです。どうしたいんだろう?って。

山崎 外国から一方的に見るとなると、どうしてもざっくりとしか見えないと思うんです。でも、そうやって、微妙な差異が見られるのは頻々に行き来してるならではの視点ではないかと。

四角 それで言うと、例えば放射能問題って日本ではほとんど情報が入ってこない。命に関わることなのに、麻痺していく感覚には驚きます。ほとんどの人が気にしなくなっている。ニュージーランドで情報を得た状態で帰国すると、「あれ?みんなどんどん気にしなくなってる」って、正直とても驚くんです。

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「飛行機の中が一番、ぼく、集中できるんですよね」

山崎 四角さん、移動中はどう過ごしてますか?

四角 ぼく、乗り物大好きなんです(笑)。バスも電車も船も飛行機も全部好きなんです。ニュージーランドには直行便で行くと、11時間近くかかるんですけど、全然苦じゃないんですよ。楽しくて(笑)。

山崎 ぼくもです。とにかく移動中が大好き。

四角 そうですよね。すごくワクワクするんです。いい意味で、できることに制限があるから、ノイズレスな状態になりやすいじゃないですか。地上だとずっとケータイ電波もWi-Fiも入るから、常にオンライン状態で、大量のノイズが入って来ますけど。

飛行機の中って、とても集中出来るんですよね。だから、どの作業を飛行機の中でやろうかなって、前もって考えておくんですよ。そういうものがない場合は、前もって『iTunes』経由で、愛用の『iPad mini』に映画や本をダウンロードしておいたり。移動中は一番、集中力が高まるので、そうやって過ごしてます。

山崎 気持ちが上がってるし、クリエイティヴな時間になりますよね。

四角 なりますね。斬新な発想とか新しいアイデアって、制約の多い移動中に浮かぶことが多いんです。

山崎 ノイズがないので自分に向き合えるんですよね。

四角 まさに。オフラインの時間が一番の「クリエイティヴ・タイム」ですよね。人生において貴重な時間の1つが、移動中ですね。

山崎 それがMOVILISTの価値観なんじゃないか?と思ったんです。

四角 そうなのかもしれないですね。MOVILISTの人達って結構、移動そのものが好きなのかも。ぼくなんて、空港や駅に行くだけで無意味にテンション上がるし(笑)。

山崎 全くです(笑)。

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四角 ですよね。だから、ニュージーランドに移住した直後は、キャンピング・トレーラーで半年近く暮らしてたんです。思い立ったら、いつでも何処にでも行けるという常に「ハブ空港」にいるようなワクワク感。そして、行った先で何処でも眠れるという「移動式住居」ならでは圧倒的な自由感が、たまらないんです(笑)。

山崎 東京から大阪でも、時間節約する人なら飛行機で行くでしょうけど、ぼくはむしろ新幹線なんです。長く移動出来るから(笑)。

四角 わかるなあ。でも、やっぱり飛行機が好きですね。大阪から東京も、飛行機に乗りたくてわざわざ乗る時もあります(笑)。

山崎 目的は飛行機に乗りたいから(笑)。時間を短縮したいからじゃないんですね。

四角 単純に、空を飛べるという事実が、未だに感動的なんですよ。だからなるべく、窓側の席を取ります。空からの景色、最高ですよね。今では仕事の1つとなった大好きな登山の目的の1つに、山頂からの絶景があります。でも飛行機って、もっとその上を飛んでるわけで(笑)。

山崎 だから飛行機の中では寝てますって人の話を聞くと、勿体ないなーって思います(笑)。

四角 そうですね。ぼくも疲れてる時は口開けて寝ちゃう時ありますけど(笑)。

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旅も登山も人生も、軽やかに、創造的に

山崎 あと、移動していくと、メンタルも身軽になっていくというか。

四角 ほんと、そう。ぼくは登山で鍛えられたんです。自分で全部バックパックを背負って行かないといけないから。

山崎 ああ、常に最小限のものだけを持っていく、と。

四角 本田直之さんと会うとモノがない自慢みたいになるんですよ(笑)。直さんが引っ越したっていうから行ったら、「俺のクローゼット、見てよ。全然入ってないでしょ」って(笑)。「直さん、少なっ!すご!」という会話に(笑)。ひと昔の価値観なら、ブランドものが大量に並んでるのを自慢したりするとこなのに。

如何にシンプルかつミニマムに削っていくか?っていうのは、ぼくの場合、ライフワークとして続けている長距離登山で磨かれましたね。ギアのセレクトミスは命に関わるし、余計なものを持ってきてしまったが為にバックパックが重すぎて、怪我をしてひどい目にあった、ということもあります。

逆に、ある道具がなかったことで命に関わるような目にあったっていうことも。だから、ギアのセレクトは、シビアに「1グラム単位」でやるんです。けど、それが上手くいった時の登山って、登頂率が上がるだけでなく、登山そのものが1つの作品のように、美しいものに仕上がるんです。

山崎 ほほぉ。

四角 それと、バックパックのどこに何があるかを把握しておくことも大事なんです。いざという時にパッと出す為に。だからアイテム数は当然、少ない方がよくて。自分で全部一個一個「持っていく/持っていかない」と判断してパッキングしてるから、常にどこに何があるかを把握しているんです。

ギアのセレクトを間違えた時は、「なんであれを持ってきたんだろう?」とか「あれ必要だったかな・・・」とか考えながら歩いてしまって、思考が複雑化してしまう。

でも、パーフェクトな状態で山を歩いていると、思考が「ノイズレス状態」になり、集中力やクリエイティヴィティが高まるんですよ。それをライフスタイルでもやりたいなと思って。それで日常でもミニマリストになっちゃった。

山崎 なるほど納得です。

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北アルプスを長野県上高地から富山県立山まで80kmの登山道を1週間かけて歩いた際の全荷物。重量約14kg。

四角 ちなみに、移動生活をしているので、データにできるものは全部デジタルデータにしています。登山の世界では「10グラム」削るのに、ものすごく苦労するのに、本やCDやDVDをデータ化することで、「数100グラム」のものが一気に「0グラム」になっちゃう。これって、シンプルに衝撃的ですよね(笑)。

必要なものはできる限り、軽くコンパクトにしたいわけです。そうすると必然的に、折りたためるものや、ひとつで2役、3役してくれるものを選ぶようにもなる。

旅を続けると自分にとって何が必要で何が要らないかを、日々、考えないといけないので、登山家はもちろん旅人も、自然にその選択能力が高まるわけです。

山崎 常にチョイスを突きつけられてるゆえに。

四角 はい。ぼくの友だちで、学生時代に、世界一周団体を立ち上げた子がいるんです。最近、その団体を株式会社化したんですけど、彼は人材の採用のコンサルも始めてるんですよ。

斬新な企業限定ですけど。普通に有名大学に入る高偏差値の優等生よりも、旅が得意な子の方が仕事がデキるっていうのに、一部のイケてる企業は気づき始めてるんです。

彼らって、要る要らないの判断力がすごく鍛えられてるので、優先順位がはっきりしていたり、ブレが少ない。さらに、予期せぬ出来事に遭遇した時の、とっさの判断力と現場対応力に優れている。

山崎 確かに。

四角 それで旅好きの学生だったり、世界一周経験者の中からリクルートするみたいなコンサルを始めてるらしくて。そこにかなりの需要があるみたいなんです。昔の価値基準だとあり得なかったことですよね。

もちろん、旅をしない人がクリエイティヴじゃないと言うわけじゃないです。世界一周した人でも、「ただ旅しただけ」で終わってる子もいっぱいいるんで。

でも、判断力や反射神経だけじゃなくて、自分の人生においてなにをやるべきかという、生きる上で一番大切ともいえる取捨選択能力が、自然と身に付きます。移動や旅のエキスパートには、そういう強みがあるんですよね。

Movilist 四角大輔インタビュー|前編中編、後編

Movilist

本記事は、Movilist ACTION1 WINTER 2015 に掲載されたインタビュー「完全版」の後編です。

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